月別アーカイブ: 2011年8月

伊礼智設計室:住宅のような事務所の照明計画・省エネと心地良い暮らしのバランス・ワークスペースのある家施工例

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伊礼智設計室施工例:ワークスペースのある住まいの記事はこちら

 

通常オフィスというと、天井に蛍光灯がずらっと並ぶ、明るい室内を想像しますが、

伊礼智設計室の事務所は、住宅のような事務所にしたいとの思いから、

天井に照明を設置しませんでした。

しかし、模型づくりや図面作成など、手元での集中した作業のための、

十分な照明はどうしても必要です。

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(左:吉村順三デザインのフロアスタンド)

そこで、各自デスク上には吊り書棚が設けられ、下面に蛍光灯の照明を組み込みました。

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手元が影にならず、また、机上から近い位置に光源を設置したため、

距離に比例して明るさを増す必要がある照明を、1/3に節約することができ、省エネにもつながりました。

 

築40年以上経つ、この木造平屋建ての住宅の契約電力は20アンペアでした。

今では単身用のアパートでも通常30アンペアの契約です。

コピー機やパソコン、照明を必要とするオフィスでは、住宅より電力が必要だと考えると思うのですが、スタッフ計7名の事務所として使用している今も、電力契約は20アンペアのまま。

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窓の外には緑のカーテンや簾で日射対策を行い、窓を開けて扇風機で過ごしています。

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(ペンダント:ルイスポールセン「TOLDBOD」/左上:吉村順三デザインのテーブルスタンド/右奥:アッキーレ・カスティリオーニ「LAMPADINA」)

2か所の打合せテーブルには、それぞれペンダント照明が設けられていますが、

キッチンで「まかない」をつくり、コピー機を動かすと、ブレーカーが落ちることも度々。

そのため、一か所は電球型蛍光灯に変えたそうです。

二か所を比べると、やはり白熱灯との演色性の違いがわかると言います。

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(ペンダント:ルイスポールセン「TOLDBOD」/中央:ルイスポールセン「AJ TABLE」)

自然と上手につきあいながら、心地良い暮らしとのバランスをとり、

柔軟な考え方で試行錯誤を楽しんでいる様子が感じられました。

 

伊礼智設計室施工例:ワークスペースのある住まいの記事はこちら

リフォーム・リノベーション事例:伊礼智設計室が提案する実用的なデザイン、良質で美しい、「生活道具」のような住まい

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リフォーム・リノベーションの記事はこちら

 

伊礼智設計室に撮影に伺いました。

事務所は、築40年以上の木造平屋一戸建ての借家を、リフォームした建物です。

上の写真は、メインの打合せ室です。

窓の外には、大家さんのお庭が借景になっています。

こちらに事務所を移してから4年が経過しました。

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窓にはヘチマとゴーヤの緑のカーテンがからまり、黄色の花を咲かせています。

伊礼智設計室では、お昼はほぼ毎日まかないを作っているそうです。

それも、素材にこだわり、化学調味料を使わない、健康的なお料理。

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ということで、ちょうどお昼時を狙っておじゃましました。

今回撮影をお願いしたのはカメラマンの渡辺慎一さん。

人、料理、物、建物、オールマイティーに活躍されています。

今回撮影していただいた写真を、少しだけ写真をご紹介します。

私たちが到着すると、ちょうど伊礼智さんが材料の買い出しから戻って来られたところでした。

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さっそく、所長自ら腕をふるい、

所員さんにも「サラダ斑と納豆斑は分かれて作業をした方が効率が上がる」など、

的確な指示を飛ばします。

コンパクトなキッチンですが、3人ほどで作業を分担しても動線がぶつからずに使いやすそう。

こうして自らデザインされたキッチンを毎日使っているからこそ、

伊礼さんの提案する”生活道具のような住まい”が生まれるのかもしれません。

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魚のしたごしらえや焼き加減、塩加減、こまやかな気づかいと同時に、

チームワークの良さと段取りの良さで、あっという間に数々のお料理がテーブルに並びました。

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 本日のメニュー
サンマの塩焼き
・オクラ・やまといも入り納豆
・卵 
・キャベツとダイコン、レタスのツナサラダ
・京都のお新香

落ち着いた照明や家具、古い家を活かした家庭的な雰囲気の事務所で、
お家に伺ったように居心地の良い空間でした。
食事がますますおいしく感じられたようでした。 

伊礼智設計室ブログ[古くて新しい事務所]はこちら

リフォーム・リノベーションの記事はこちら

帰ると「ホッ」と落ち着く住まい。街に帰って来た時に感じる「懐かしさ」。緑がつながる街、風景:東京都東村山市「むさしのiタウン」 木造ドミノ住宅

東村山市「むさしのiタウン」 木造ドミノ住宅の記事はこちら

 

木造ドミノ住宅が開発されるきっかけとなった、
東京都主催の街づくりプロジェクト東村山市の「むさしのiタウン」。 

木造ドミノ住宅は、街の中に25棟建設されました。

その中での一棟目、当時のモデルハウスとなったのがこの住まいです。

開発者、設計士、職人、現場監督の知恵と経験を集結し、かたちとなりました。

上は2006年に完成した当時の写真です。

まだ植えられたばかりの小さな木や、真新しい室内の柱や梁が、

当時のことを思い出させてくれて、懐かしく感じる一枚です。

その後、住まい手さんが決まり、暮らしが始まりました。

 

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自然素材の家は、時を経るごとに無垢材の柱や梁、床が艶のある飴色に美しく変化します。

わたしたちは、これを「経年美化」と呼びます。

敷地に植えた植栽も、時を経るにつれ、家族と一緒に成長していきます。

 

家はひとつの入れ物でしかないのかもしれませんが、

その家の中で、庭で、家の周りでは、

いろいろな人との想い出や、暮らしが紡がれていきます。

 

家に帰った時に、街に帰って来た時に「懐かしさ」を感じられたり、

「ホッ」と落ち着くような住まい、

緑がつながる街、風景を、これからもつくりだしていきたいと考えています。

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東村山市「むさしのiタウン」 木造ドミノ住宅の記事はこちら

「国立市、メンテナンスリフォーム部佐々木さんの家」「所沢市、雑木林の家」を取材していただきました

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木造ドミノ住宅の記事はこちら

今日は、雑誌の取材に同行させていただきました。

まずは、相羽建設のメンテナンスリフォーム、部佐々木さんのお家。

佐々木さんの家は、延床面積27坪の木造ドミノ住宅です。

 

今回の取材は、”女性”にスポットを当てたテーマということで、

奥さまへのインタビューと、

佐々木さんの家の設計を担当した、女性設計士の中静がインタビューを受けました。

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設計は、女性目線で、子育てや日々の家事の経験者としてのノウハウが設計に反映されています。

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設計時は、ほとんど旦那さんだけで打合せが進みましたが、

 

完成されたシンプルな内装の木造ドミノに、

奥さまのセンスによって、室内がやわらかい雰囲気にしつらえられ、 
住まいが完成されている印象です。

つづいて、二軒目に訪れたのは、所沢市の「雑木林の家」です。

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「雑木林の家」の記事はこちら

設計士であり、住まい手さんでもある西尾春美さんへのインタビューです。

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食器や調理器具、本など、ご自分の持ち物を全て把握された上での、
きめ細かい設計がなされているので、全ての物が、所定の場所へスッキリと納められています。
住み始めてから4年半が経った今も、家具のレイアウトを変えたり、
収納を増やす必要に迫られずに、使いやすさを保たれているそうです。

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今の住まいに移ってから、休日はお二人でキッチンやお庭で過ごすことが多くなったというご夫妻。

佐々木さんのお家も、家を建ててから、以前よりも自然に近い暮らしに意識が向き、
環境へ配慮した生活を心がけるようになったと言います。

今回のお話の中で、家を建てたことをきっかけにして、
家庭菜園で野菜を育て、料理したものが食卓に並んだり、
庭づくりで自然を感じたり、健康的な暮らしへと、
「ライフスタイルも変化した」という、
二軒に共通した言葉を聞けたことが印象的でした。

 

暮らしを自在にデザインできるシンプルな箱『木造ドミノ住宅』。ご自分が住むとしたら、どんな暮らし方をイメージしますか?

ST青葉 木造ドミノ住宅の記事はこちら

「木造ドミノ」の開発は東京都が主導した街づくり「東村山本町プロジェクト」、
に応募したことから始まり、実現したものです。

>>木造ドミノ住宅第一号の記事はこちら 

質を確保しながら、コストを条件内に抑えることを達成するのはとても難しく、
職人、開発者 野沢正光建築工房・設計者 半田雅俊設計事務所、
相羽建設スタッフを交えた議論は何度となく紛糾もしましたが、
スケルトン(建物の本体)とインフィル(しつらえ)をきちんと分離し、
太陽エネルギーによる暖房システムを持つ、木造ドミノのしくみが生まれました。

東村山に実現した25棟の「木造ドミノ」住宅はたくさんの人々から評価をいただき、
グッドデザイン賞、地域住宅計画賞、エコビルド賞グランプリなど様々な評価もいただきました。

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”木造ドミノ”とはじめて聞いた方は、「ドミノ倒し」を連想される方がほとんどかと思います。
家にそんな名前を付けてしまって、大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、
実は、その”ドミノ”とは違うんです。

「ドミノ」の名前はドム=いえとイノ=新しい、革新的な、の組み合わされたもので、
建築家ル コルビジュエの作った言葉です。

木造ドミノが新しく革新的なこれからの住宅として各地に展開し、
地域ごとのスタンダードになることへの願いが込められています。

「木造ドミノ住宅」は、外壁で構造の安全性と、断熱性能を確保しています。

そのため、室内の構造に関わる部分、動かせない部分は、大黒柱2本だけです。
それにより、構造に縛られずに、暮らしに合わせて部屋の仕切りや設備を
計画することが可能になりました。 

>>木造ドミノのしくみはこちら

木造ドミノは、シンプルな“ひとつの箱”のような空間です。
室内は、家族構成やライフスタイル、環境、地域によって、自在にデザインできます。
いろいろな表情の暮らしが、木造ドミノをキャンパスのようにして描かれていきます。

 

夏の間、東京都東村山市にある、「ST青葉 木造ドミノ住宅」モデルハウスでは、
エアコンを稼働させずに、家本来の居心地を夜間まで体感できる、
ナイター見学会を開催しています。

>>ナイター見学会はこちら 

自分が木造ドミノ住宅に住むとしたら、どんな暮らし方をするかをイメージしながら、
木造ドミノを楽しんでみてください。

ST青葉 木造ドミノ住宅の記事はこちら

 

田中敏溥建築設計事務所が街の全体計画を手掛けた街並み、ソーラータウン西所沢「OMソーラー+太陽光発電」のハイブリッド住宅:オープンハウス開催

ソーラータウン西所沢「OMソーラー+太陽光発電の家」の記事はこちら

8/6(土)・7(日)・13(土)・14(日)はオープンハウスを開催

ソーラータウン西所沢は、全22棟のOMソーラーの家が建ち並ぶ街です。

田中敏溥建築設計事務所が設計と街並み全体の計画を手がけました。

 

今回、オープンハウスを開催するお宅は、OMソーラー+太陽光発電を搭載したハイブリッド住宅です。

 南傾斜の丘という立地を存分に活かした、環境にやさしいエコな住まいです。

 

リビングの面した日当たりが良いお庭では、家庭菜園やガーデニングを楽しむことができます。

自然素材を使用したシンプルなインテリアで、
壁、天井には和紙が貼られ、やわらかい陽の光が室内をつつみます。

 

 


街には、自然と同じような価値観を持った住まい手さんが集まり、

 今の季節、緑のカーテンや家庭菜園を楽しむ各家の緑がつながって、

緑あふれる街になっています

住み替える言うことは、環境も替わるということです。

日当たりや風の通りだけでなく、

日々の暮らしの中で大切な、お隣ご近所同士の居心地のいい関係も、

 参考になさってください。

 

 

ソーラータウン西所沢「OMソーラー+太陽光発電の家」の記事はこちら

8/6(土)・7(日)・13(土)・14(日)はオープンハウスを開催